バビロンに関する預言



バビロンは前六・七世紀頃栄えた都市で、今日のイラクにあり、二重の城壁で囲まれている、難攻不落の都市として有名でした。
内側の城壁は厚さが6.5mあり、7m離れている外側の城壁の厚さは約3.5mでした。所々には塔が建てられていて敵を見張っていました。
城壁の外には,ユーフラテス川とつながれた堀があり、それは水を供給すると共に,敵の軍隊から都を守りました。

ユーフラテス川を挟み両側に都市があった。         巨大な二重の城壁で都市は守られていた。

バビロンはイスラエルの民と深く関係しており、聖書中で重要な都市となっています。

バビロンは イスラエルを滅ぼし、70年間イスラエルの民を捕囚としてバビロンに連れて行きました。
しかし難攻不落と思われていたバビロンは前539年10月5日 メディア・ペルシャの王キュロスによって一夜で滅ぼされてしまったのです。

そのどちらの出来事も聖書に預言されていました。

ではその預言を詳しくひもといてみましょう。

預言者イザヤが最初にバビロンに言及したのはヒゼキヤ王が病気から回復された時でした。
次のように語られました。

39:1 そのころ、バラダンの子であるバビロンの王メロダク・バラダンは手紙と贈り物を持たせて使節をヒゼキヤにつかわした。これはヒゼキヤが病気であったが、直ったことを聞いたからである。
39:2 ヒゼキヤは彼らを喜び迎えて、宝物の蔵、金銀、香料、貴重な油および武器倉、ならびにその倉庫にあるすべての物を彼らに見せた。家にある物も、国にある物も、ヒゼキヤが彼らに見せない物は一つもなかった。
39:3 時に預言者イザヤはヒゼキヤ王のもとに来て言った、「あの人々は何を言いましたか。どこから来たのですか」。ヒゼキヤは言った、「彼らは遠い国から、すなわちバビロンから来たのです」。
39:4 イザヤは言った、「彼らは、あなたの家で何を見ましたか」。ヒゼキヤは答えて言った、「彼らは、わたしの家にある物を皆見ました。倉庫のうちには、彼らに見せなかった物は一つもありません」。
39:5 そこでイザヤはヒゼキヤに言った、「万軍の主(ヤハウェ)の言葉を聞きなさい。
39:6 見よ、すべてあなたの家にある物およびあなたの先祖たちが今日までに積みたくわえた物がバビロンに運び去られる日が来る。何も残るものはない、と主(ヤハウェ)が言われます。
39:7 また、あなたの身から出るあなたの子たちも連れ去られて、バビロンの王の宮殿において宦官となるでしょう」。

その言葉が語られてから100年以上経ってから確かに成就したのです。

エレミヤも40年にわたってエルサレムがバビロンによって滅ぼされ捕囚になることを次のように預言しました。

20:4 主(ヤハウェ)はこう仰せられる、見よ、わたしはあなたを、あなた自身とあなたのすべての友だちに恐れを起させる者とする。彼らはあなたが見ている目の前で敵のつるぎに倒れる。わたしはまたユダのすべての民をバビロン王の手に渡す。彼は彼らを捕えてバビロンに移し、つるぎをもって殺す。
20:5 わたしはまたこの町のすべての富と、その獲たすべての物と、そのすべての貴重な物と、ユダの王たちのすべての宝物をその敵の手に渡す。彼らはこれをかすめ、民を捕えてバビロンに移す。


25:9 見よ、わたしは北の方のすべての種族と、わたしのしもべであるバビロンの王ネブカデレザルを呼び寄せて、この地とその民と、そのまわりの国々を攻め滅ぼさせ、これを忌みきらわれるものとし、人の笑いものとし、永遠のはずかしめとすると、主(ヤハウェ)は言われる。
25:10 またわたしは喜びの声、楽しみの声、花婿の声、花嫁の声、ひきうすの音、ともしびの光を彼らの中に絶えさせる。
25:11 この地はみな滅ぼされて荒れ地となる。そしてその国々は七十年の間バビロンの王に仕える。
25:12 主(ヤハウェ)は言われる、七十年の終った後に、わたしはバビロンの王と、その民と、カルデヤびとの地を、その罪のために罰し、永遠の荒れ地とする。

ネブカドネザルのバビロニア帝国は前609年にエルサレムを攻囲し2年後イスラエルの民を捕囚としてバビロンに連れ去りました。
しかしそのバビロンも滅び、永遠の荒れ地となることが予告されていましたが、実際そのことは生じたのでしょうか。

確かに成就しました。前539年10月 メディア・ペルシャの王キュロスによって攻略されたのです。
歴史家ヘロドトスによるとキュロスは、ユーフラテス川の流れを変えることを行い、水位を下げることによって堀から侵入することが出来ました。
またその夜、大宴会が行われていたため抵抗することが出来ず、容易に攻略できわずか一夜で崩壊してしまったのです。

その詳細な点が予め予告されていました。
そのいくつかを見てみましょう。

@征服者の名が予め示されていた。
「エホバは,その油そそがれた者キュロスにこのように言われた。わたしはその右手を取った。それは,彼の前に諸国の民を従えるため,わたしが王たちの腰の帯を解くためである。彼の前に二枚扉を開いて,門が閉じられないようにするためである。」
「わたし自らあなたの前を行き,地盤の高みをまっすぐにする。わたしは銅の扉を粉々に砕き,鉄のかんぬきを切り落とす。 そして,わたしは闇の中の財宝と,隠れ場所の隠された財宝とをあなたに与える。それは,わたしが[あなたを]あなたの名によって呼ぶ者,イスラエルの神,エホバであることをあなたが知るためである。
わたしの僕ヤコブとわたしの選んだ者イスラエルのために,わたしはあなたをあなたの名によって呼ぶようになった。あなたはわたしを知らなかったが,わたしはあなたに誉れある名を与えるようになった。」 (イザヤ45:1-4)

ここではキュロスという名があげられているが、実際、前539年にバビロンを滅ぼしたメディア・ペルシャの王はキュロスであった。

A攻略方法が語られていた。
「水の深みに,『蒸発せよ。わたしはあなたのすべての川を干上がらせるであろう』と言う者, キュロスについて[このように]言う者,『彼はわたしの牧者であり,わたしの喜ぶことをすべて完全に成し遂げるであろう』と。すなわち,エルサレムについて,『彼女は建て直されるであろう』,神殿について,『あなたはその基を据えられるであろう』と言う[わたしの]ことばをも」。」   (イザヤ44:27.28)

「彼女の水の上には荒廃があり,それは必ず干上がる。……バビロンの力ある者たちは戦うことをやめた。彼らは強固な場所に座りつづけた。その力強さは枯れた」― (エレミヤ 50:38; 51:30。)

バビロンはユーフラテス川を引き込み、深い堀で守られていたが、キュロスはユーフラテス川の流れを変えることによって、川を干上がらせることによって堀から侵入することが出来ました。まさに聖書の預言通りであったことが分かります。イスラエルの民はバビロンに捕らわれていましたが、キュロスによって解放され故国に帰ることも出来ました。

B宴会の時に攻撃され、一夜にして倒れることについても予告されていた。
 「突然バビロンは倒れ,砕かれた。」   (エレミヤ51:8)
「彼らが熱せられるとき,わたしはその宴会を設け,彼らを酔わせて,歓喜させる。彼らは必ず定めなく続く眠りに入り,それから覚めることはない」と,エホバはお告げになる。 「わたしは彼らを,ほふり場に向かう雄の羊のように,雄やぎと共に雄羊のように下らせる」。 (エレミヤ 51:39)

この予告通りバビロンは、大宴会が催されていた時、メディア・ペルシャ軍が侵攻し一夜で攻略されたのです。驚くべき成就ではないでしょうか。

Cバビロンは最終的に人の住まないところとなる。

「いまわたしは彼らに対してメディア人を奮い起こさせる。……そして,もろもろの王国の飾り,カルデア人の誇りの美であるバビロンは,神がソドムとゴモラを覆されたときのようになるのである。彼女は決して人の住む所とはならず,また,彼女が代々にわたって住むこともない」― (イザヤ 13:17‐20)

バビロンにはその後も少数ながら人が住み続けたようですが、往事のような都市になることは出来ず、衰亡していきました。

アレクサンドロス大王はバビロンの大々的な復興を計画しましたが、マラリアに倒れわずか33歳の若さで亡くなってしまいました。
その後もバビロン復興の計画は幾度かあったが実現せず、遂に無人の荒野になり今日も荒廃したままです。

   今日のバビロン

   発掘の様子


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